あと30ページ余を残して、昨夜は本を閉じた
3時間近くの夜の読書は、今日に応えますからね。
昨日は映画になってもいいかな?って書いたけれど、無理です。
何も起こらないから・・・
少女A、少女B、少女C・・・女D、女・・・少年・・・少年の成れの果て・・・
治りかけた傷のかさぶたを剥がしかけて、そこから微かに血が滲じむ。
おっと、これはまずかった、まだ早い、
でも、剥がしかけたかさぶたを中途半端にそのままぶら下げてるわけにもいかず、えい!剥がしちゃえ。血が滲んで疼く。
はたまた、もう血は滲まなくても、赤くなった次の皮膚を不思議なものを見るようにしげしげ眺める数秒間、ごめんね、私の傷。
一度体を傷つけた切り傷や火傷や、虫さされの痕は、数限りなくその人の一部になって、果ては、人の輪郭を描く細い、線だけでしか残らない。
微かな輪郭は、あるのかないのか、本人も気づかない。
太い輪郭で守られている人なんて、いるのだろうか。
少女Aが、どうした
少年Bがお父さんになって、おじさんになって、それがどうした
この本は、じわじわと「高村薫」という作家を感じさせてしまい、おしまいころはその存在感に、ちょっと苦しくなるような本だった。
しかし、その後をついて行くだけの高村薫大好き読者には、やはり楽しい本読みの時間をくださいます。
とにかくその文体です。その物語の構成の確かさです。
で、下世話な話なのだけれど、ADHDの浅井忍、コレ、二宮和也くんがやったら楽しみになる映画になって、映画のおしまいは、この本とはぜんぜ〜ん!違うどんでん返しを作ってくれたら、面白いなぁって、思ったことでした。
残りの30ページは、ゆっくり味わって読ませていただきますです。