bull87’s blog

田舎の暮らし〜こんなふうです〜老後をお考えの方、参考に〜Iターンを選択肢に入れてる方、参考に〜なるンかなあ・・・

「犬を愛した男」2

世界があまりにも矮小さの積み重ねでできているということ

この長大な作品は、それほど複雑でない構成でできているので、半分近く読み進めていくと、先を急ぐようにページをめくるようになる。

パドゥーラが描く物語であるはずなのに、気がつけば、ノンフィクションを読んでいるようで、1人の作家が細部を積み重ねて描く、過去の歴史の出来事が、現在進行形のように思えてくるのだ。

 

昨夜はたまたまWOWOWシネマで「英国総督 最後の家」(2018)を観た。

1947年の独立前夜のインド、イギリスのチャーチルや、ソ連の野心でガンジーの夢見るインド統一が、パキスタンとの分離独立になってしまう過程が、その時の難民の孫娘による監督で、映画化されたものだ。

 

そのあとの本読みだったから、次のような言葉が、リアルタイムに感じられた。

 

「この本に示された偉大な結論は、ブルジュアが様々な形態の政府を生み出してきたように、どうやら労働者国家も多様な統治体制を生み出すものらしく、なかでも、スターリン体制は社会主義モデルのもっとも反動的・独裁的体制となりつつある、ということだった。」

これは、国外追放中のトロッキーが書いた「裏切られた革命」という文書のことである。

 

今、世界のあちこちでは、まさにこのような悪夢が、失望と恐怖が進行しているようなことも考えてしまった。

 

インド映画のこと

先日、T氏に「インド映画、いいよ」って言ったら、

「ああ、踊るやつね」とおっしゃいました。

勘違いです。オススメは

  「ダンガル きっと、つよくなる」(2016)

  「スタンリーのお弁当箱」(2011)

私、是枝裕和監督の「万引き家族」とか、とっても苦手なので、上二つのようなインド映画の方が好きです。

夕べ見た「英国総督 最後の家」はイギリス映画なので、インド映画の楽しさ、軽さ、そういうのはないけれど、まあ、インド独立について、教えてもらえる。

スターリンの権力掌握の過程でこの世界から抹消された夥しい人の数、インド・パキスタンの分離独立の過程で暴力や飢餓で死んでいった人の数、そして今、世界のあちこちで同時進行している邪悪な権力闘争、覇権争い、

人間の愚かさを、ガンジーの悲しい目が見ていた。