「やっぱり岩手県かあ。賢治の国かあ。」
お昼を食べに帰った夫、珍しいこともあるもんじゃ。
宮沢賢治とか興味なさげな人なのに。。。
そんな会話を遮って、家電がなります。
人がいる頃を見計らって家電というものは鳴るものです。
「はい、○○です」
「こちらはNTTのナントカナントカ〜〜〜〜〜
ドコモの携帯料金とセットにナントカカントカ〜〜〜〜」
「えっ、ドコモってあの白いワンちゃんの?それとも意識高い系の高杉くんのとこ?
わたし、あの高杉くんが好きなのよ。」」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「そうよねえ、料金が安くなるっていう話には、興味そそられるのよね。
ところで確か、息子がドコモだったような。あっ、ちなみに娘はソフトバンクよ。
じゃあ、息子と一緒にすれば、ほら、面倒見がいい〜とか白いワンちゃんが言ってる、
ああいうふうになるわけ? 四方八方お得な料金体系っていうの?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「嫁はどこかなあ〜
そう言えば新しいiPhone11っていうの、あれにしたみたいよ。
ボヘミアン系ていうか、とってもおしゃれなカバーつけてるから、
ああいうの、あなたのところで買うの?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ああ、そうなんだあ。やっぱり自分で見つけないと、気に入ったのには出会わないよね。
それに、現物を見るのが一番よねえ。
洋服とかもそうだものねえ。
私もこの間失敗したのよね。洋服じゃなくてベッドカバーとかの3点セット。」
「〜〜〜〜〜〜〜」
「ええ、それで?」
「〜〜〜〜〜〜〜」
「ええ、それで?」
「〜〜〜〜〜〜〜」
「わかったわ。どうもありがとう。丁寧に説明してくださって。ご苦労様です。
もしかしたら、あなた、コレ、テレワーク?」
でもね、ごめんなさいね。先に言えばよかったんだけど。
私、ずっとauのガラケー使っていて、2年前にやっとスマホにしたと思ったら、
お父さんが、失業しちゃったのよ。かわいそうでしょ、そう思わない?
それで二人とも、携帯料金払えなくなったから、今、携帯無いの。
この家電の基本料払うだけで精一杯の状態なのよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
またのご利用をお待ちいたしております。」
ナ〜ンチャッテ、ネ・・・
コウイウオバサンニ ワタシハナリタイ