どうしようか・・・ツバメさん
子どもたちが「早く、早く」と私を待ち受けていた。
ちょっとしか飛べなくて、みんなで周りを取り囲んでも、キョロキョロ見回すばかりの幼いツバメ。
「他の大きい鳥にやられたんだな」
出発時刻を過ぎてしまって、結局、私、公民館の倉庫に忍び込んでダンボールを持ち出した。
「助からないかもしれない。でも、みんなで見てあげながら死んじゃうんなら、その方が幸せでしょ」
「自然がいっぱいだから、毎日こんなことが起きるんだね。」
5年生のお姉さんはそんなふうに言いました。
「小さな命を持ってるんだから、絶対に落とさないでよ」
4年生のTくんは言いました。
さて、学校橋で迎えた校長先生です。
案の定です。一切、躊躇はなかったです。
「学校には鳥は持ち込めませんね」
小鳥どころか、カメさんやイモリ、おおよそ子どもたちの反応はいつも微妙だ。
積極的に「僕たちのクラスで見るよ」という声は上がらない。
大人の反応を子どもたちはよく知っている。
「命を大切に」こういう授業って、子どもたちにはどんなふうに届いているんだろうか。
そういえば、思い出したなあ・・・
「3年間、あんなに一生懸命やっていたテニス、インターハイにも行けなかったんですよ」
高校3年の時、息子の担任はこう言いました。
「せっかくハイクラスに上がったのに、成績がちっとも上がりません」
このようにきついお叱りを受けた後の発言でした。
帰りの車を走らせながら、私は涙が出て困りました。
ああいう大人に囲まれてMは3年間を過ごしたんだ。
あの子はみんなと一緒に何かをするのが好きな子で、インターハイに出るのはそのおまけなだけ。
学校に行かせない、行きたくない、こういう選択を、私は「アリ」だと思っている。
全ての教師がそうだとは言わないが、自分が子どもだった時を忘れてしまった大人が、現場で子どもたちと過ごしている。
学校は管理の場所みたいになっているから、息苦しいよ・・・
休み時間にツバメさんとお話ししたりできるのが、「命を守る」授業じゃないのかなあ・・・
帰りに、田んぼに出ていたMさんからもらった乾燥草、とてもいい状態の草です、さすがだね!
このままうちの玄関にこうしておくわけにはいかない。
さて、どうしましょうか、ツバメさん?
廊下の向こうから、チュンチュンって、聞こえてきます。