ジグザグ3部作品
アッバス・キアロスタミ監督の
「友だちのうちはどこ?」(1987年)
「そして人生はつづく」」(1992年)
「オリーブの林をぬけて」(1994年)の3部作を、観た。
「友だち〜」は2回見た。
そうしてこの映画の真骨頂は、シーンの一つ一つが、写真を切り取ったみたいにできていること、そのことにあるというような気がしてきた。
もちろん、アハマッド少年の表情のあまりの美しさについては言うもがな。。。
今日、10月26日、渋谷ユーロスペースで、夕方から上映している。中国山地の山間に住んでいて、飛んで観に行けない。なおかつ、この心境を共有する友も、この村にはいないのだ・・・
ジグザグ道、オリーブの林、薄暗い石段の角度と、その光と影、
家家の玄関の扉と、窓枠、
じっと動かない遠景のカメラ、
大人を見上げるアハマッド少年の顎の角度と首筋、その瞳が映す不安
どれもこれも一枚一枚の美しい写真になる。。。
おっと、素焼きの植木鉢のゼラニュウムの赤は、あれはどちらかといえばありきたりではあったけれど、写真と写真をつないで見せるには、必要だったんだね。。。
ゼラニュウムの赤は、私の記憶に間違いがなければ、
ジャン・ルノワール監督の
「大いなる幻影」(1937年)で、窓辺の一輪だった。
そういう意味では、今時の映画は、シーンの一つ一つを写真のように切り取って鑑賞できないふうに仕上がっているような・・・
これを退化というべきか、映画の進化というべきか、時代遅れのおばさんにはわからないなあ・・・
お節介なAmazonプライムさんは、次に見るべき映画の数々を並べてくれるのであります。
ケン・ローチ監督の作品もそれらの中に並べているから、これはどういう意味なのか、判読し難い。
つまり、穏やかに、鑑賞できますよ、そういうことかな?
夫と一緒に呟いた。
死ぬまで観る映画はあるなあ〜