散歩の途中で、イノシシの解体に、遭遇した。。。
巨体のイノシシで、こういう古手のイノシシの肉は硬いそうだ。
ハンターは5名のオッチャンたちだ。
鳥獣駆除の一環の?鉄砲で仕留めたらしく、ワナにかかったイノシシさんではない。
思い起こせば・・・
20数年前、この村へ来てすぐの頃、イノシシの解体を見るか?と誘われた。
夜だった。
真っ暗闇の山の中、一軒家の納屋先が裸電球で照らされていた。
数名のハンターが取り囲み、口々に何か言い合っていた。
充足した表情だった。
解体された部位は、狩りに参加したハンターに等しく!均等に!分配される。
縄文時代にワープしたみたいだったよ
おまけにそのあとで、その家のおっちゃんの玄関をのぞいたら、ツキノワグマの剥製が鎮座していたからね。
オッチャンが仕留めたそうだ。まじか!
私はここんちのオッチャンが村でいちばん好きで、唯一、バレンタインのチョコをあげたくらいだ。
しかし数年後、このおっちゃんは草刈機の事故で、亡くなった。
いい人は、みんな先にいなくなる・・・って、私はこの時に悟ったよ。
で、つまり、何か因縁も感じたってわけだ。
来てすぐの頃にイノシシの解体をみて、そうしてあともう少ししたら、私たちの山の中の田舎暮らしが終わるという日に、またイノシシの解体に遭遇したのだ。
今日は久々に空は晴れて、日差しが眩しい。
道々の端には雪が残り、日の当たらない家の裏周りの雪をかき出して、田んぼに捨てている家もある。
午前中の明るさがそう感じさせたのかもしれないし、いや、そうでもないだろう。
イノシシの腹が真っ直ぐに開けられて、内臓がキレイさっぱり取り出され、ホースで流しっぱなしの赤い水も、この過程はすごく綺麗なものだった。
隠微さのかけらも無く、非常に健康的な、一つの事象だった。
で、おまけの話だが・・・
やはりたっぷりと脂肪が取り出される。
「これを湯煎したら固まるだろ。それを瓶に詰めといて、手にクリームみたいにつけるのよ。うちの母ちゃんはずっとやっとる」
「ふ〜ん、だから、Sさんの奥さんは綺麗なんだあ」って、私が言うと
「そりゃあ、ワシの世話がいいからよ」
と、ニヤニヤしながらSさんは私にささやいた。
こういう会話は、田舎のおっちゃんの礼儀作法みたいなもんで、この雄のイノシシさんの例の部分については、みんな嬉しそうに言い合ってたなあ。。。