あれもこれもと忙しい?のに、読んじゃった、です。
大谷さん、見ないといけないでしょ
(こういうのは、ホントは忙しいって、言わない、です。)
又吉直樹 「劇場」
先日お散歩がてら本屋さんに立ち寄った。
文庫本の棚に又吉さんの「東京八景」と「人間」が並んでいた。
「東京八景」はいつでも読めるとして、「劇場」を読んでいないから「人間」を先に読むわけにはいかないよね。
で、帰りに用事があって立ち寄った交流センター、図書コーナーがあるんだけど、なんと!なんと!「劇場」、棚に鎮座してたんだ。
で、昨日は将棋プラスで王将戦ライブを音量offで、午後から「劇場」を読み始めて、
夜はWBCを見終わってから読んで、深夜1時、読了した。
(ね、忙しいでしょ。その間、お昼作って、買い物行って、夕ご飯作って、お風呂入って・・・)
私、半分近くまで読んでる途中で、2回くらい泣きそうになった。
後半は、ちょっとだれる。。。
又吉さんて、ものすご〜く純真だと思う。
もしかしたらそう思わせるように書いているのかもしれないが、そんなあざとさっていうか、そういうのって、微塵も感じさせない。はっきり言って、真面目だ。
芥川賞もらった「火花」を読んだ時、この人には「文体」があるなって感じた。
その後朝日新聞の土曜日のbe版で、一面使ってエッセイ風なものを時々書いていて(これが多分「東京八景」?)、又吉さんには彼の!文体があるって、また思った。
「劇場」のストーリーは、こう言っては悪いけど、陳腐なのかもしれない。
それに若さが持っている自意識過剰ゆえの、ちょっと切羽詰まった生きにくさとか、社会との折り合いの悪さとか、そういうのって実は大なり小なり、そんじょそこらにいっぱい散らばってるんじゃないだろうか。
でも、いっぱい散らばっている、ちっとも恥ずかしくない「陳腐さ」を、丁寧に、真面目に、純真に、言葉で描こうとする、そこんところが、泣きそうになっちゃったのかもしれないな。
なんかこんなふうにいうと悪いかもしれないけれど、おばさんにはノスタルジックなんだよね、こういうのって。
昔、宮本輝の「青が散る」を読んだ時も、そういうノスタルジックな感動だったかもしれない。
あのあとの作品群では、宮本輝さんはう〜んとどこかへ行ってしまわれたみたいで、私はもう読まなくなったけど、又吉さんにはどこかへ行ってほしくない。
「純真さ、なくさないでね」なんて、こりゃあ無理な話に違いないね。
でもまあいいや、ただ、なんか物語作ろうとして、無理をしてほしくない。
いろんな物語がある、と、思う
本は、「文体」が作り出す物語なんで、又吉さんが書いたものみたいに純真で誠実さの中にちゃんと物語を読者は!見つけるんだよ・・・
そりゃあもちろんすごいって物語を語る作家の本は、本当にその物語こそがすごいんだけど、誰でもガルシア=マルケスとか、ウンベルト・エーコとかには生まれついてないし、あちらはあちらだもんね笑
モノは増やさないことになっているから、又吉さんの単行本は買ったりしませんが、とりあえず今度本屋さんに行ったら文庫で「人間」と「東京八景」は購入しときます。
でもなあ〜ほんと忙しくなるんだよね、
大リーグ始まるし、藤井さんは防衛戦と名人タイトル挑戦が日程目白押しだし、
庭、やっとこさ雪がはだらに残るだけになって土が見え始めたので、外仕事が始まるしなあ〜