又吉直樹「人間」
函館市くらいの街になると、何かと便利である。
(そりゃあ、あなたが一年前まで住んでいた中国山地の山の中に比べたら当然)
近くの交流センターの図書コーナーに本を返しに行けば、
あらまあ・・「次にこれをお読みなさい」とばかりに、又吉直樹さんの「人間」が目に入る。
(ここ、基本的には、直木賞とか芥川賞とかで話題になった方々の本、映画化された原作本などがちゃんと並んでいる。もちろん北海道関係もコーナーがある。佐藤泰志さんの本や、歴史に関して、箱館戦争関係とか、伊能忠敬まで、とりあえずは困らない。)
又吉さんの本って、続けて読む本じゃない予感?が、私にはあるんだよね。
しょうがない、せっかく目に留まったわけだから、ここは挑戦するか、でお借りした。
予感は当たった。一年くらいは(笑)空けて読むべきだった。
①又吉さんの本、と言っても「劇場」と「人間」なわけだけど、女の人が同じなんだよね。
②後半から終盤、おっと、どうした、っていうくらいテンションが下がってくる。
このことは、又吉さん自身が答えのない問いを問い続けているのだから、当然と言えば当然だ。なんとか、この話の終わりに持っていかなくちゃあいけないのだから。
③又吉さんの本から人生訓を聞こうと、私は思ってもいないのに、うん?この発言には蘊蓄がある、メモっとこう、みたいな文が時々ある。
(私には分かる、という意味なんだけど)
読んでいる途中で、又吉さんはもしかしたら血液型B型なんじゃあって思って、検索したら当たり!
(ちなみに。大谷翔平さん、彼こそB型だろうって検索したら、こちらも大当たり!
つまり、私にとってのB型共通項は、「とっても親しみやすい、不必要な気遣いがいらない人なんだけれど、深く親しんだら、うんと面倒くさい」という、まあ、勝手な思い込みがある。)
攻撃してるとか、悪口じゃない
例えばNHKラジオの「あとは寝るだけ」の又吉さんとか、すっごく好ましいでしょ。
大谷さん関係の発言だって、いいとこ尽くしでしょ。
それなのに、それなのに、このB型二人の彼女は、相当にできた女!じゃないとつとまらないって、それくらい面倒くさい人なんじゃないかってこと。
あれ?ホントに攻撃じゃないよ。
他人のことに興味がないんじゃないかと、そう思うわけだ。
で、この「人間」、読み終えたんだが、やはり文庫本で買っておいて、もう一回読むつもりだ。
又吉さんが書いていた「クリント・イーストウッドが見えなくなった」みたいな、そういうところ、私のバカな頭でちゃんと整理してみたい気がしてならない。
手元にはまだない文庫。
春、まだ遠し
今日は気分を変えて、中央図書館の学習室から書いている。
ガラス張りの向こうは、五稜郭公園。
雨が降っている。
桜の樹々の列が、心なしか淡いピンクに染まっているふうだ。
大勢で一斉に両手を広げて薄曇りの低い空を支えている。
何億という数の桜の固い蕾が波のように連なって、視界のずっと先はピンクが濃く見える。
染織家の志村ふくみさんの随筆だったか、桜の色は花びらから採るのではなく、木の皮を煮だして染色するという話だった。
「木全体が全身で桜色に染まっているのだ」
雨脚が強くなってきた。
公園の中央の広場では、足場を組む作業が中断されたようだ。
五稜郭公園の桜祭りの準備じゃないかと思われるのだけれど・・・
函館の桜はいつ咲くのだろうか。