bull87’s blog

言ってみれば、雑記帳・・

「シンプル・アクシデント / 偶然」

6/9 函館シネマイリス

「神は理由があって飛び出させた。わざとじゃない。パパは悪くない。」

「パパが犬を殺した、神様は関係ない。」

始まりは夜の自動車事故で、車中の母と少女の会話は多分こんな感じだった気がするが、印象的だ。

ジャファル・パナヒ監督が2025年カンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞した近作。『ユーモアとスリルに満ちたサスペンスの最高峰』と、パンフには書いてある。サスペンス? これは受け流すとして、「IT WAZ JUST AN ACCIDENT 」の原題の方がいいような・・

不当に投獄された過去をもつ男女が、偶然から当の看守と出会い、復讐を果たそうとする話だ。ストーリーは逆説的に!至ってシンプルだ。

その6人が写真の男女。

彼らの言葉はペーパーに書いて仕舞えばそれだけなのだが、これもまた逆説的に!シンプルであればあるほどたくさんの表情を持つ。

ラストシーンは、それまでの暗い映像とは違って明るい光に溢れているが、音だけを残してそのまま白黒のエンドロールへと続く。

現実の義足の男の足音なのか、記憶の中の音なのか、あるいは日常の遠くの雑踏や風や鳥の音なのか、エンドロールの中に遠のいていく。

 

多分、世界の人々にイランのことを少しでも伝えたいという映画なんだろうな・・

3ヶ月前に始まった戦争だが、イランから国外脱出していた人たちが、ハメネイ師が殺されたと聞いてイランへ帰ろうと列車やバスに乗り込もうとしている映像が流れた。

あの時イランへ戻ったあの人たちは、どうしているのだろうか。

またパナヒ監督はこの映画が3月のアカデミー賞にノミネートされた後、またもや「体制に対するプロパガンダ活動」をしたとして有罪、禁錮1年出国禁止2年の判決を受けた。その後はどうなった?

映画における詩情って・・2)

イラン映画の続き

「熊は、いない」 Amazonプライムビデオ

・ジャファル・パナヒ監督 1960年生まれ 2022年制作

・パナヒ監督はアッバス・キアロスタミ監督の助監督だった。

・いくつもの映画祭の賞を受けたが、「反体制的な活動」を理由に20年の映画製作を禁止され、2度にわたって投獄もされている。モハマド・ラスロス監督のようには国外脱出せず、自身の軟禁生活さえも映像化している。

・この映画は作りが面白い。監視の目を潜って映画作りをしている本来の映画のシナリオと、その映画作りの過程がもう一つのシナリオとなって重なった映画だ。主演は映画作りをしているジャファル・パナヒ監督自身。

・モチーフは、国外へ逃れるしか希望を見出せない二組の男女の若者だが、一方で、イラン国境近くの小さな村に旅行と称して滞在し、実はオンラインで映画作りをしている監督の置かれた状況の複雑さが、村の因習と絡まり合う。

・当局から監視の目が入ってきたことから、監督は村を去るしかなくなる。車を走らせて川沿いに来た最後のシーンは、万感もの!! ありとあらゆる想いが映像から溢れ出てきそうだ。

・「希望」とか、他の世界で生きている者が、軽々しく口に出してはいけない世界を見ている・・・

・そんな社会性はたっぷり描きこんでいることはいるが、全編に映し出されるイランの景色には「社会性」なんて、それってなんですか?みたいな、全てを包んで時間が流れる、その圧倒的な詩情に満たされている。多分、私はこれを観たいんだ・・

 

「オリーブの林をぬけて」 Amazonプライムビデオ

・アッバス・キアロスタミ監督 ジグザグ3部作「友達のうちはどこ?」「そして人生は続く」に続く3作目

・やはり「友達のうちはどこ?」のあの瞳の美しい少年に出会うと嬉しくなる、少し成長しているが。

・ジャファル・パナヒ監督が初めてキアロスタミ監督の映画作りに参加したという作品。この映画は劇中劇のような作りになっていて、映画作りの現場のスタッフなども映す出されるのだが、パナヒ監督は映っていない。

・白く乾いた土壁やペンキのはげた木材、白い埃っぽい村の道や石段、そんな絵に紅いゼラニュウムの花鉢のいくつかが際立って美しい。そして集落を離れて広がるオリーブの林の緑、林を抜け出て緑の草原の中を続くジグザクの道、この美しさに感嘆だ。

・最後のシーンで、緑の中のジグザグ道を引き返してくる青年が草原をまっすぐに駆け戻ってくる遠景、「希望」っていうのは、ああいう景色にあるんだなあ〜って思ってしまう。

・1994年公開の映画だそうだが、多分、まだ、ジグザグ道やオリーブ畑やゼラニュウムの紅い花に、監督は「希望」を見せてくれることができる時代だったんだろうな、と思う。今はもう、世界は一瞬の「希望」のありかさえも探しあぐねているのじゃないか・・・

 

「運動靴と赤い金魚」 Amazonプライムビデオ

・1997年制作の映画 

・マジッド・マジディ監督 1959年生まれ

・いくつか賞を受けているが、他の監督のようには現在の状況などは私には分からなかった。

・ストーリーは至って分かりやすく、妹のボロボロではあったが1足しかない靴を無くしてしまった兄の奮闘と、その貧しい家族の話。

・「赤い金魚」は家族が暮らす集合住宅の水汲み場の池に住んでいる数匹の金魚で、最後のシーンでは象徴的に映し出される。

・この兄と妹が通う学校の様子は、イラン映画で何度もお目にかかる。先生に咎められて目にいっぱいの涙を浮かべる男の子は、いつ観ても切ない映像だ。

・兄と妹は父と母に靴を無くしたことを隠しているが、その2人が内緒でノートにやり取りを書くのだけれど、多分、この父と母は字が読めないんだろうなと思う。

・物語は淡々と語らていくに過ぎないのだけれど、その一コマ一コマに、小さな幸福感が感じられるのが、なんとも不思議ではある。

 

こういったイラン映画で、一瞬の「希望」と、ささやかではあっても今の世界ではなかなか触れることができない「幸福感」を観ている私はなんなのだろうと思っている。

私のすぐそばにあるのにそれを見ようとしていない私がいるのだろうか。。

映画における詩情って・・1)

この1ヶ月間に観た映画を記録

「オールド・オーク」 6/4 函館シネマアイリスにて

ケン・ローチ監督のイギリス北東部3部作の最終章、そして最後の作品になるかもしれないと言われる映画だ。4月末に封切りされているが、地方の単館には一月遅れでやってくる。

「わたしは、ダニエル・ブレイク」「家族を想うとき」も、人間への深い温かさが伝わる映画で、大好きな映画になった。

 

でも、「オールド・オーク」は本当に「希望」を私たちにもたらしているのだろうか。

1936年生まれ、90歳になろうとしている監督の、この世界に対する悲観が伝わってくるように感じてしまって、もちろん「希望」は私たちにすぐそばに見つけることはできるのだと言っていてはくれるのだが・・

ハンバート ハンバートが歌った朝の連ドラ主題歌の歌詞には、「日に日に世界が悪くなる 気のせいか そうじゃない」などとあって、最後には「今夜も散歩しましょうか〜」で終わるんだけれど、あの歌の歌詞の世界に通じるようではあった。

多分、世界中でみんなが「希望」の小さな在処を探している。

晩年の監督の悲しみが深く深くななっているようではあった。

 

「ハムネット」 5/11 函館シネマアイリスにて

ある映画評論家の方が「とにかくジェシー・バックリーを見てくれ」って力説されていた通りだった。彼女の表情に釘付けされてあっという間の2時間が過ぎる。

16世紀イギリス、シェイクスピアの妻の物語なのだが、シェイクスピアはほんの脇役。

映像の色彩といい、ああ、イギリスの中世後期ってこんなふうだったんだって教えてもらえるように、丁寧に作り込んであったような気がする。

 

で、イラン映画に浸かる・・・

Amazonプライムビデオで「イラン映画」と検索して、以下を観た。

どうしてイラン映画なのか?う〜ん、今のイランとの戦争のせいというよりも、アッバス・キアロスタミ監督の映画みたいなのを観たい、そういう心境からか・・

5本観た。やっぱりイラン映画はいい。

 

「君は行く先を知らない」 5/21 Amazonプライムビデオ

・パナー・パナヒ監督 1984年生まれ、42歳

・長編デビュー作 2023年公開

・キアロスタミ監督の助監督だったジャファル・パナヒ監督の長男で、幼い頃にはキアロスタミ監督の撮影の現場にも父親に連れられて行っていたそうだ。

キアロスタミ監督→ジャファル・パナヒ監督→パナー・パナヒ監督と、イラン映画の美しい詩情を見せてくれる監督が続いているのが、暁光のようでもある。

・もちろん、先の2人の監督が見せる社会性が、この映画では具体的だ。

つまり、イランを逃げ出す、いや、逃げ出すしか未来がない若者と、それを送り出す残る者の心の有り様が、あのような社会に生きていない私たちにも共感をもたらす。

・下のシーンのような映像には、ふた世代、ひと世代前の監督とは違う若さ?が感じられた。

 

・野営している父と子が、満点の星空に浮かび上がって星座と一体化していく長回しのシーンなどは、アレッ?なくてもよくないですか?って思うんだけれど、こういうところにも若さを感じた。

・イランの若き才能に幸あれかし!!!

受け継がれた映像美は揺るぎない

「聖なるイチジクの種」 5/22 Amazonプライムビデオ

・モハマド・ラスロス監督 1972年生まれ、53歳

・2024年発表され、国外で上映・受賞された直後、「国家安全保障に対する罪」で実刑判決を受け、徒歩で国外脱出、ドイツへ亡命。

・イランで起きた2022年の抗議運動(女子学生がヒジャブの着用を守らなかったことで「道徳警察」逮捕され死亡した事件に端を発する)の最中の、ある家族の話だ。

・政府の張り巡らされた市民への監視の目を潜って秘密に撮影され、オンラインで監督された。抗議デモ弾圧の実際のビデオ映像も使われている。

・監督は徒歩で国境を越えて脱出したのだそうだが、この国外脱出のケースは「君は行く先を知らない」にも、「熊は、いない」にも、現実のイランの日常の一つの行動として、どのようにして計画実行されるのかを見せてくれる。

・少し苛烈さが際立つのは、観るものにも伝わるものがある。

 

以下の3本はまた明日に感想を

「熊は、いない」 5/25 Amazonプライムビデオ

「オリーブの林をぬけて」 6/2  Amazonプライムビデオ もう2回観て3回目

「運動靴と赤い金魚」 6/4 Amazonプライムビデオ

ちなみに来週は函館シネマアイリスにジャファル・パナヒ監督の「シンプル・アクシデント 偶然」が来ます(こちらも一月遅れ)。

 

耐寒性の信用度?

あれだけの雪によく耐えたなあ〜

(庭は1メートル近い雪が、ほぼ2ヶ月。玄関周りや家前、屋根からの落雪が集まってきます)

日に日に緑が立つようになった庭を見て、夫が言いました。

花に関心がないので、こんな感想は初めてかもしれません。

北国の庭で(と言っても函館なんですが)、どれだけ宿根草が頑張れるか、5年目の春を迎えて少し分かってきました。 

チャイブは最強です。こちらの2株は料理用に使うのでそのうち花は咲かなくなります。

こちらのチャイブは花を楽しむため用です。昨年植えた左側は白花のチャイブです。株が細いのですが、そのうち強くなるのでしょうか?

アネモネは4月中旬にやっと花を咲かせました。スプリングスターもほぼ同じ頃です。

宿根草ではなく、球根ですね。

昨年球根を植えた四季咲きアネモネです。白花です。周囲に勢いよく広がるので、ちょっと困りものです。お付き合いが短いので、花を咲かせるのがどこまでなのかイマイチよく分かりません。今春は4月初めから花芽がたくさん見られたので、楽しみです。

上の2枚は、コレオシプスです函館に来て初めて出会ったと思います。

夏前から秋遅くまで、大変長く次々に花を咲かせてくれるので、庭の脇役として立派です。

ただし花殻摘みは忙しいです。これをしないとみっともないです。

毎秋の庭の片付け時に、株分けしたり、大きくなった株を切り取ったりします。

セントランサスです。最強です。薄ピンクと白花の2種です。とにかく耐寒性お墨付き!こぼれ種でどこにでも目出しします。どんどん伸びるので切り戻しや、余分な茎の切り取りが必要ですが、秋までずっと庭の彩りを支えてくれます。

背丈があるのと、株が大きく強くなるので、植え場所は庭の壁際とフェンス際にしています。

右2株はジャコウアオイと言います。白花とピンク花です。北海道の野生の花のように言われ、空き地などで雑草に紛れて咲いているのがとても美しいのですが、庭で独り立ちさせると、あまり綺麗には見えなくなる惧れがあります。従って、伸びる先から切り戻しをして独り立ちさせないような手当が必要な花のように思います。

ジャコウアオイの左側の株はベロニアです。こちらも耐寒性抜群とお見受けしました。フェンス沿いに株分して、地味〜な感じで増やしています。

言わずもがなの都忘れです。丈夫過ぎて大株になるので株分が結構手間取りな花ですが、かわいい花なので大好きです。

カワラナデシコです。我が家ではいまいち元気がなさそうな花で心配な子なんですが、ちゃんと冬越ししています。大伴家持さんの彼女も植えていたという、私には特別な花です。

タイムも最強です。晩秋の庭片付け時に株分してしっかり切り詰めます。5月くらいしか花は楽しめませんが、夏中、大きく広がって庭の立派な守り役みたいなものです。

原種チューリップと言って売っていました。植えっぱなしで小花の花が咲きます。色味も派手さがなく可愛らしいです。

こちらは普通のチューリップです。4月22日の写真です。函館ではやっとこの頃咲き始めるのです。

ささやかな我が家の庭の中心に植えたハナミズキです。引越し前の植木屋さんに白を植えて置いてって頼んだはずでしたが、ピンクでした。4月22日、やっとこの花芽です。本州ではもう咲いているんでしょうね。

函館市の夫の実家をリフォームした時に、駐車スペースを作るために庭の方も全部掘り起こして、3本の木を植えてもらっていました。ハナミズキとアオダモとヤマボウシです。

同じく4月22日のアオダモです。この柔らかな葉にそろそろ要注意かもしれません。虫が卵を産み付けます。この虫退治と、ハナミズキのうどんこ病の対処で私は日に日にトラウマ状態に陥ります。

ブルーベリーの木です。やっと花芽が見られます。2本の小さなブルーベリーの木で夏から実を採り始めます。鳥さんと競争ですかね。さすがに昨年夏にはネットをふんわりとかけました。この実を冷凍保存します。1ヶ月に一回くらいジャムを作ります。去年採った実を最後にジャムにしたのは2月でした。つまり7回か8回はブルーベリージャムを作って、ヨーグルトのお供になりました。

 

で、あと1ヶ月くらいしたら、こんなふうになります(去年の5月末の写真)

連休明けには、ブルーサルビアとセージ苗を買います。なくてはならない花なのに冬越ししてくれませんから、毎年苗を買って植えます。ブルーサルビアはまとめて2ヶ所と、あと他の花の間にちょこちょこ植えておきます。こちらも花殻摘みを怠らなければ、秋遅くまで庭のお守り役を果たしてくれます。

興味は尽きない・・

ルネサンス期の英傑三人が会する

大ベストセラー「スティーブ・ジョブズ Ⅰ・Ⅱ」を書いたウオルター・アイザックソンが、2019年に書いた「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の中に、こんな文がある。

「まるで歴史ファンタジー映画のように、一五〇二年から〇三年にかけての冬の三ヶ月、『ローマ法王の血と権力に飢えた息子、狡猾で独特な道徳感を持った外交官兼物書き、そして技術者を自認する傑出した画家』という、ルネサンス期を代表する英傑三人が要塞に囲まれたちっぽけな街にこもっていたのだ。」

イタリアロマーニャ州のコムーネ、イーモラにこもった3人の英傑とは、チェーザレ・ボルジア( 26歳)、マキャヴェリ (33歳)、レオナルド・ダ・ヴィンチ (50歳)、である。

この3ヶ月の間にレオナルドが製作したイーモラの地図を「戦争をめぐる科学と芸術の両面における、レオナルドの最高の功績」と言っている。

インク、絵の具、黒いチョークを使って描かれたイーモラの地図。近隣の都市までの距離も書き込まれているそうだ

少し前の盛夏、チェーザレがいたウルビーノに入ったレオナルドは、チェーザレの矢継ぎ早の軍事行動に同行し、城や要塞の設計や改修計画、また軍事行動に必要な様々な道具の開発に夢中になっている。要塞のスケッチをしながら一方では民家の扇形のガラス窓やぶどうの房に興味を移しているのは、レオナルド特有の集中力の非継続?の片鱗の表れと、ウオルター・アイザックソンは書いている。

「〜左手で描かれたハッチング線が、チェーザレの目の下の影を強調している。チェーザレは沈んだ様子で、物思いにふけっているようだ。細かく縮れた髭に覆われた顔は歳を重ねてふっくらとし、梅毒でできたものと見られるあばたがある。もはや『イタリア一ハンサムな男』とうたわれた面影はない。」と書いている。

 

イーモラからチェナーゼへ移動した12月には、レオナルドもマキャヴェリも同行していたようだ。この地でチェーザレが発揮した残虐行為も目撃したか? マキャヴェリはのちに書いた「君主論」で、チェーザレの冷酷さに感銘を受け「他の人々も研究し、見習うべき事例」と書いているそうだ。(マキャベリのこんな所を「独特な道徳感を持った物書き」と言うのか?)

一方レオナルドは数週間後のチェーザレのシエナ攻略にも同行していたが、「チェーザレの残虐行為を意識的にシャットアウトしようとしていた様子がうかがえる。〜シエナの教会の鐘をスケッチし〜」と、レオナルドの様子を想像している。

この数日後にはマキャヴェリはフィレンツェに呼び戻され、まもなくレオナルドはチェーザレのもとを離れ、1503年3月にはフィレンツェに戻った。チェーザレに仕えたのは8ヶ月だけだった。

 

その8ヶ月は、チェーザレの権力拡大が見事なまでに現実化されていく只中で、それゆえにいつその足元がすくわれるかもしれない不安定さにチェーザレはいて、大博打を打たなければ破滅しかねない時期でもあった。

ウオルター・アイザックソンはレオナルドのスケッチが「物思いにふけっているように見えるのは、不安を抱えていたためかもしれない」と書いている。

 

「優雅なる冷酷」

塩野七生さんの「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」には、レオナルドがウルビーノのチェーザレのもとを訪ねたときの場面がとても印象的に、美しいとさえ言えるように書かれている。(それまでいたマキャベリとはこの時はすれ違いだったが、マキャベリはすぐにフィレンツェから戻っている)

50歳になるレオナルドは

「麻の自然の色そのままの長衣をまとったこの老人は〜〜〜白いものが多くなりはじめた長い髪と髭によって、その半分がおおわれている老人の顔〜〜」というふうに書かれている。

一方チェーザレは

「なんの飾りもない薄い灰色の上着と同色のタイツを着け、〜〜〜二人の青年はいずれも美しく、年齢も同じ頃と見えた。ただ、薄い灰色の服の青年の方が、毅然とした威厳をその全身からただよわせていた。」

ウオルター・アイザックソンの書き用との違いには、ある意味ショッキングでさえある。

16世紀の話なんだから、50歳といえば充分に老人ではあり、26歳のチェーザレも青年というよりは壮年の「歳を重ねた」顔だったのだろうし、どのように書き表すかは物書きさんの真骨頂だ。

 

「わが友マキアヴェリ」塩野七生著

ウオルター・アイザックソンは「権力闘争への洞察あふれる若き外交官」マキャベリのことを「レオナルドの絵画から抜け出てきたような微笑の持ち主であった。謎めいていて無口で、いつも心に何かを秘めているようなところがあった。」と書いている。

塩野さんの本で私が持ったマキャベリ像とは少しばかり違和感があるが、その生まれや幼少期の環境も穏やかで、マキャベリという人は『悪意』とは縁のなかった人物なのじゃないだろうか。

マキャベリはフィレンツェへの仕事上の報告にレオナルドのことも書いているが、レオナルドという人間に対しての観察評価などはしていない。マキャベリはレオナルドに興味はなかったのか、レオナルドの方も一介の外交官マキャベリには興味はなかったに違いない。

「イーモラの地図をはじめ、この時期にレオナルドが生み出したさまざまな道具は、マキャベリの言葉を借りれば『誰も気づかないうちに他人の家を乗っ取る』奇襲作戦を強みとしていたチェーザレに大いに役立ったはずだ」とウオルター・アイザックソンは書いているのに、マキャベリのフィレンツェへの報告書には上がっていないようだ。

 

いやはや、興味は尽きず・・・

 

ps 1503年に前後してチェーザレのもとからフィレンツェに戻ったレオナルドとマキャベリには次の接点があった。

フィレンツェの街を流れるアルノ川の改修のアイデアを主導したのが、マキャベリとレオナルドだった、というのだ。マキャベリが、実地調査をするレオナルドの便宜を取り計らうための手紙を書いたりしている。

従ってお互いによく見知った間柄ではあったのだろうが、やはり、お互いがお互いを惹き合うような関係ではなかった?

 

 

 

「生きていてもいいんだよ」って・・

ここ1ヶ月の間に観た映画を記録

・「ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編」3/17 函館 シネマ太陽にて

・「木挽町のあだ討ち」3/25 函館 シネマアイリスにて

・「ワン・バトル・アフター・アナザー」Netflix

・「千夜、一夜」Amazon Prime Video

・「ミッドナイトスワン」Amazon Prime Video

・「ナイトフラワー」Netflix

・「爆弾」Netflix

・「ちひろさん」Netflix

「ちひろさん」2023の映画

やっぱ、この中で私が好きなのは「ちひろさん」かな。。

なんというか、「生きていてもいいんだよ」って思わせてくれる、というか、まあそんな感じで。。

有村架純ちゃんは(もう、チャンづけはないか笑)、WOWOWドラマの「前科者」もとても好きです。

あまり感情表現をしない演技?というか、それでいてちゃんと観る人の心を動かす?というか、そういう役柄の有村架純さんはいいです、私的には。

少年 マコトくんがいいです

「千夜、一夜」2022の映画

30年前に突然姿を消した漁師の夫、待っているんだが、もしかしたらもう待ってはいないのかも、そういうおばさんを田中裕子が演じている。田中裕子さんなら、私は文句なしに好きなもので。。

対して、夫が2年前に姿を消した女性を演じているのが尾野真千子さん。こちらも文句なしに好きな女優さんなもので。。

彼女を初めて観たのが「クライマーズ・ハイ」(2008年 日航123便墜落事件の話)の時。次にこちらも随分古いけれど、NHKの単発ドラマだったか、「火の魚」。原田芳雄とのガチな二人ドラマみたいだったような気がするが、すっごく記憶に残ってる。

 

気持ちがキツくなる

「ミッドナイトスワン」とか「ナイトフラワー」(同じ監督さん)とか、大いに役者さんに感心させられるし、良い映画だろうなとは思うけれど、ちょっと、きつい?かな。。

「爆弾」にいたっては、まず、佐藤二郎さん、すごいんですが、やっぱり、きついかも。。

刑事役の山田裕貴は、ん?どこかで見た感じの役作りじゃあ。。

脇役での染谷翔太さんはさすがですが。。

 

この3作品、期間を空けて見ればよかったんでしょうけど、短期間に寄せて観たものだから、こういう映画は、もういいかもって思う。

「ワンバト」、途中で飽きた。

アメリカ人はどうしてこういう映画を作るのでしょうか。アカデミー賞ノミネートでしょ、わかりません。(アメリカ人は〜とか言ってすみません。アカデミー賞でも「ノマドランド」とかすごくよかった。)

 

「ゴールデンカムイ」

残念ながら函館市にはIMAX上映館はありません。

東京や札幌行きの予定はなく、まあ仕方なく地元で見る羽目に。

確か、前の一作目の時、私、途中で一瞬寝たかも、な映画なんですが、今回はアクションが相当派手になっていたし、ロケも頑張ってる感じだったし、山田杏奈ちゃんのアシリパと杉本さんの関係が微妙な感じにいきそうな、いかなさそうな演出なもんで、さすがに眠りませんでした。

アシリパちゃん、綺麗になっていく・・

今回サハリン行きで終わっているので、これから先どうするのでしょうか。

最後の五稜郭争奪戦までいけるんでしょうか。

とりあえず、山﨑賢人くんは7月公開の「キングダム」待ちですかね!楽しみ!

 

「木挽町のあだ討ち」

面白いかもしれませんが、私的には、まあ、無理に、というわけでもなさそうな。。

途中でネタバレ感じるから、後半が。。


映画がなかったら、私の人生はどうなる?

映画通でもなく、そんなに本気でたくさん観る映画ファンでもないのに、いちゃもんばかりつけているみたいで申し訳ないんですが、要は、私はクリント・イーストウッドの監督映画(荒野モノはいいです)とか、阪本順治監督の映画とか(吉永小百合さんが出るのはいいです)、そういうのを観たら、すっごく満足なんです。

話が全然噛み合わないようではあるけれど、とどのつまり、映画は「ゴッド・ファーザー」に尽きる!!!???支離滅裂。。

 

「わたしの台所」2)

包丁研ぎ

沢村貞子さんの「わたしの台所」の『うさばらし』で、「よくキレる包丁でトントントンと野菜をきざむときの快さ」とあって、包丁の何やかやが書かれている。

昔は包丁研ぎ屋さんが町内を回っていたらしい。今では大きなスーパーにたまに包丁研ぎ屋さんが出前出張されているけれど、たまたま行った先で見かけても、出直して包丁を持ち出したりはできません・・

 

今朝、思い立って包丁研ぎに挑戦した(ほんの30分)。

ずっと以前に実家の母が私の家に持ってきてくれた簡易の研ぎ石を、なんと幸いにも処分せずに持っていた。多分、母は私のところの包丁が気の毒に感じたんでしょうね。

沢村さんの包丁の研ぎ方はいたって簡単なように書かれていたのですよ。

でも、さすがに刺身包丁だけは今回パスしました。

これを失敗したら、ちょっと残念すぎる。

左端のが研ぎ石?だと思うんですが、コレ、もしかしたら違う用途のものかも(笑)

今現在常に使うのはこの5本と刺身包丁。

出刃包丁が必要なお魚類は(残念でも)パスします。

 

自分で包丁を買い求めた記憶がなくって、実家から持ってきたり、お返しカタログから選んだり、まあ、まともなものはありませんが、ずっとこれで主婦をやっていたわけで・・

沢村さんは思い切って良いものを買って死ぬまで使う、とおっしゃっています。

写真下のような包丁研ぎがあって、たまに使ってはいたけれど、イマイチ「おお〜切れるなあ」っていう実感がない。

 

で、昼食の準備ですが、まあ、難なく使えました。

もうちょっと研いでもいいかもなあ。。もう一回挑戦。。