bull87’s blog

田舎の暮らし〜こんなふうです〜老後をお考えの方、参考に〜Iターンを選択肢に入れてる方、参考に〜なるンかなあ・・・

本や映画のこと

「蒙が啓かれる」思い

司馬遼太郎「街道をゆく19」「中国・江南のみち」 吉川弘文館 世界史年表・地図より この地図はもちろん繁体字で記されているが、Googleマップでは簡体字表示なので、なかなかによろしくない・・・ 「蒙が啓かれる」ということばを司馬さんは使うのだが、足…

中国の自己完結意識?

「畠も畑も日本製文字で中国にはない」 1981年7月から1982年3月に週刊朝日に連載され、1987年に朝日文庫「街道をゆく19」で刊行されている。 2008年に発行されたこの新装版は、フォントが大きくなっていて、初めは「おお、読みやすいではないか」と思ったが…

司馬遼太郎が言う『想い』

耽羅・・韓・・韃靼・・ こういう流れは自然と言えばそうなんだが、もっと早くに読むべきであったなあ。 「韓のくに紀行」(「街道をゆく2」)が週刊朝日に連載されたのは、1971年から1972年にかけてで、司馬遼太郎がまだ40代後半の頃だと思う。 「耽羅紀行…

気分としては残念かも

書かなければならない、って強迫観念が・・・ 「ゴールデンカムイ」(1月26日 二子玉川で観てから、時間が。。) あんなに楽しみにしてたのに、見ている途中で、すっごく冷静になってきた。 飽きる・・冷める・・ あまりに綺麗にまとめすぎている。 説明しす…

「ゴールデンカムイ」続編は進行中のはず

「ゴールデンカムイ」の映画レビュー 「アイヌへのリスペクト」とか「北海道の景色の雄大さ」みたいな感想が添えられているのが目立つ、というより必ず! これは「キングダム」映画にはなかった現象?だなあ。 函館市の我が家徒歩5分ほどのところに「交流セ…

山崎賢人は『無色透明な装いをまとえる役者』だって

あまりに「ゴールデンカムイ」の評判が良すぎる もう観てしまった人たちは、映画の出来そのもののみならず、役者さんみんなをほぼ褒めている。 もちろん山崎賢人も、キングダムとは違った良さを言っている。 で、映画情報サイト「otocoto」の方をのぞいてみ…

本は本、映画は映画

自分の想像力はたかが知れている 平野啓一郎さんの本があまりに面白かったから、映画は見ない事にしていた。 本を読んでいくうちに、「男」や「女」の輪郭というか、「男」の像、「女」の像が、朧げながらも作られていくのではある。 そういう自分勝手な想像…

夏の終わりに「薔薇の名前」っていうのも・・・

「薔薇の名前」 〜ウンベルト・エーコの小説の映画化 監督ジャン=ジャック・アノー 今年のシネマリレー作品の一つ、8月最後の日、今日までだった。 朝イチ9:15 函館シネマアイリスで、この映画を観た人は3人、でありました。 ショーン・コネリーです 日本…

黒木華さんと綾瀬はるかさん

映画の感想をほとんど書いていないから、今日は頑張っていくつか記録 「せかいのおきく」 (6月30日 函館シネマアイリスにて) ⭐️5個だな・・(私的には) 基本、白黒映画、稀にカラーが入る。 ストリーは、つまりありふれてるのだが、意外とショッキングか…

いつだって明日があるさ エンゼルス!

エンゼルス、今日はお休みです で、あの7連敗の夜に観た映画の話。 2011年(古いけど)の映画。 お金もなく、負けてばっかりのオークランド・アスレチックスが、ブラッド・ピット扮するGMの元で、突如20連勝して、プレイオフ進出するという実際にあったお話…

「普通」なんて、ホントはないんだ

小川洋子さんの本 ずっと昔に読んだのが「博士の愛した数式」で、以降、ずっと読まず。 この冬に「約束された移動」「小箱」と2冊読んだ。 今回読んだのは「薬指の標本」。 薄めの文庫本に二つの小説が入っているから、「薬指の標本」も午後の1時間で読んで…

「違和感を手放さない」

「世界の片隅で日本国憲法をたぐりよせる」 (岩波ブックレット NO.1076 大門正克 著 2023 3/7発行) 朝日新聞の書評欄で紹介されていた本だ。 「私たちが生きる生活世界を世界の片隅ととらえ、そのもとに憲法をたぐるよせる試みである。」(はじめに、から…

「未来の危険性」は進行中・・

なんか変だよね・・・ 近々の事故のニュースを見ながら、私がこう口にした時、夫は言った。 「昔、日航機墜落事故ってあったでしょ。 何年か前、あの事故について書いた本を読んだ。 日航の乗務員だった人が、ずっと調べて書いた本だよ。 あの本を読むと、あ…

「影の王」

「戦争」というより心の純潔の話のような。。 2023年2月25日発行。 中央図書館の新刊本コーナーを通りかかって、やっぱり、この題名と装丁には引き寄せられた。 ガーディアン誌の「現代アフリカ文学のベスト10」の1冊に選ばれた、とある。 訳者の粟飯原文子…

又吉さんは本当に純真か?

あれもこれもと忙しい?のに、読んじゃった、です。 大谷さん、見ないといけないでしょ 藤井聡太さんと羽生善治さんの王将戦、見ないといけないでしょ (こういうのは、ホントは忙しいって、言わない、です。) 又吉直樹 「劇場」 先日お散歩がてら本屋さん…

「日本国」の始まりと「うら悲し」

「高揚した雰囲気」 平成22年11月発行なので、多分、奈良時代に関しての最新情報?が教えてもらえるんじゃないでしょうか。 函館中央図書館で見つけましたた。あと3冊、平城京関係を借りた。 「はじめに」で、吉村武彦先生は述べられている。 今日は、当時…

「家持の絶唱」

「悽惆の意(せいちゅうのこころ)ー詩の頂点」(山本健吉「大伴家持」) 家持が柿本人麻呂に触れたところ、見つかりました。(ああ、スッキリした) 「万葉集」巻17・3969 越中国守として赴任中、掾(じょう)であった大伴池主との書簡でのやり取りにあった…

大伴家持さんだって、やさぐれ時代はあった・・・

大伴家持の憂鬱 持統10年(696)太政大臣高市皇子死去、柿本人麻呂の長歌の中で最も長い「高市皇子挽歌」、この後官僚の大異動、藤原不比等(38歳)、持統朝の五大夫として政治の中枢に進出 (壬申の乱の時は不比等14歳)。 で、ですね〜 文武元年(697)持…

大伴家持の「詩」の始まり

NHKラジオ「古典購読 『歌と歴史でたどる万葉集』」 先週18日で45回目を終わった。 4、5回前から大伴家持を中心に据えて、お話が進んでいる。 1年間のお話が終わりに近づいている。 柿本人麻呂に始まって、大伴家持で終わると、私の中の万葉集は勝手にそう…

イニシェリン島の精霊 2

映画「イニシェリン島の精霊」と司馬遼太郎の「愛蘭土紀行」 映画の感想で、司馬遼太郎の「愛蘭土紀行」のことを書いた時、 須田剋太画伯のことを「この旅を共にした」と書いてしまった。 私の司馬遼太郎さんの本は付箋だらけ。比喩表現とか、いろんなことに…

緊張をはらむ

イニシェリン島の精霊 司馬遼太郎の『街道をゆく』の「愛蘭土紀行」、これは2巻になっているが、それを思い出した。 映画の撮影はゴールウェイに向かって「ワニのように口を開けた」湾に浮かぶアラン諸島の一番西側のイニシュモア島で行われたという。 otoc…

東京のお天気、良すぎるわ

久々の東京の映画館 函館便は夕方で、天王洲アイルのインドカレーのお店でお昼の待ち合わせだったから、映画を見ることになった。 朝イチでしか観られないから、有楽町のヒューマントラストシネマで9:35の回があるインド映画「エンドロールのつづき」。 「ダ…

誠実に生きるって、やはり、分からない

母と子の距離感が、居心地悪いような 昨日「本心」を読み終えた。 途中でちょっとダレる?私にとってはそんな感じがあって、4、5日かけた。 (「ある男」は1日で読んでしまった・・・) 7 2021年の本だけど、2023年になった今、この本に書かれてることは現…

「水底の歌」 梅原猛

長い旅だった・・・(大袈裟かもね笑) 読み始めてから、1ヶ月以上かかった。 他の本も同時に読みながらだったけれど、大切に、大切に読んだつもりだ。 そうして、いい旅だった、と、この重量たっぷり(とにかく重いに尽きる)の本を閉じた。 解説で中西進…

上質なサスペンスのよう・・・2

「〜万葉集巻1、巻2の終わりが、共に志貴皇子関連の歌で終わっていたのかもしれない〜」 NHKラジオ「古典購読」の「万葉集」25は「志貴皇子とその周辺」のお話で、鉄野昌弘先生はこう仰った。 う〜ん、やっぱり「万葉集」は上質なミステリだと、私はいたく…

水底の歌

梅原猛さんの熱量が半端ない 梅原猛著作集全20巻(集英社)は1981年?から順次発行されて、11巻「水底の歌」はその第4回配本で、1982年1月15日に発行されている。 この著作集は発行されるたびに、当時の私は買い求めたはずだが、すぐに読むことはしないでい…

柿本人麻呂の長歌 3

「殯宮」 山本健吉は「柿本人麻呂」の中で言う。 〜人麻呂の時代を考へてみれば、はたして御用詩人としての道を歩く外に、彼は全力的・全身的な表現の場を獲得することができたであらうか。言ひかへれば、御用詩人となる以外に、詩人であることが可能であつ…

ワンピースを重ね着したら・・・

ずっと昔から、ときどき、ふっと、このフレーズがよぎる事がある。 ワンピースを重ね着する 君の心は 不思議な世界を さまよい歩いていたんだ 井上陽水「ジェラシー」。 小川洋子さんの「約束された移動」(河出書房新社 2019年) 我が家から徒歩5分で函館市…

「そんな悲しい目をしてンじゃねえ」

キングダム2 遙かなる大地へ 遅くなったけれども、昨日やっと観に行ってきた。 う〜ん、2019年は、待ち焦がれ感が強すぎたってこともある。 今回は待ちくたびれたし、予告とかが寂しかったし、イマイチ気持ちが・・・ と、こんなこと言ってるわりには、私、…

柿本人麻呂の長歌

NHKラジオの「古典講読 万葉集」は18回目 この講読を聴き出してから(聞き逃しで聴く)、恥ずかしながら、私は柿本人麻呂の長歌に目覚めたのです。 万葉集の長歌なんて、なんだかめんどくさいくらいにしか思っていなかったことを、今は恥じている(相当に恥…