bull87’s blog

田舎の暮らし〜こんなふうです〜老後をお考えの方、参考に〜Iターンを選択肢に入れてる方、参考に〜なるンかなあ・・・

「面映ゆき記憶」

現代短歌は地中深くに入り込んでいくみたいだ・・・

「うた日記」で教えていただいたうたから三首

小島熱子歌集『ポストの影』の鑑賞が5回にわたって書かれた中から書き出した。 

 

  やはらかきひかりのなかに頬杖をつけば面映ゆき記憶がよぎる

 

  耳底にいまも列車の汽笛あり ひとりの輪郭おぼろなれども

 

  ああわれに忘れた昔とわすれないむかしがあって 水がにほふも

 

この歌を書き出してみると、漢字とひらかなの使い方にも、意味を持たせたのだろうという気がして来た。

味わい深いとしか言いようがないのだが、つまり、私にはちゃんと味わう力があるのだろうか。

ちゃんと味わうもなにも、有り体に言えば、3首に共通の「ある」雰囲気に惹かれた歌ではあった。

 

  「忘れた昔」と「わすれないむかし」

  「やはらかきひかりのなか」と「面映ゆき記憶」

  「耳底にいまも」と「ひとりの輪郭おぼろ」

 

「面映ゆき記憶」、そうだね、やはらかい秋日和の日に、お洗濯を取り込みながら、不意に訪れたりするのだね。。。

 

けれどもだ、こういい感覚って、息苦しくない?

受け手の状態にもよるのではあるだろうけれど、西行さんのような明るさが恋しい気がしないでもない。