bull87’s blog

言ってみれば、雑記帳・・

初・イラクの映画

「大統領のケーキ」  10/9 函館シネマアイリス

日に日に世界が悪くなる〜🎶 気のせいか〜 そうじゃない🎶

こういうときにはこんな映画を観たい、そう思わせました。

学校の上を米軍爆撃機が飛び交い、すぐ近くで爆発音が鳴り響く状況で、少年と少女はいつもの「まばたきっこ」遊びをして、周囲からふたりだけの世界に取り残されてこの時間をやり過ごします。

この後流れるラスト映像は、フセイン大統領が誕生日のケーキに囲まれているニュース映像?

 

1990年代、フセイン大統領は国中の学校に命じて、自分の誕生日にケーキを作るよう命じていたそうです。

子供時代にこの体験をしたハサン・ハーディ監督が、演技未経験者のキャストで撮影したという初の映画で、カンヌ映画祭で新人監督賞を受賞しました。

監督のインタビュー記事を読みましたが、フセイン大統領時代から今に至るまでのイラクでの映画の状況などを知りました。

この映画がカンヌで受賞した後、イランのジャファル・パナピ監督からメールをもらったそうです。

パナピ監督はイラクでやっとこのような映画が作られたことを、とてもうれしく思われたのではないでしょうか。

 

物語は、学校のくじ引きで「大統領のケーキ係」に選ばれてしまった少女が、お金も時間もない二日間で、ケーキを作るための食材探しをする姿が描かれています。

同じクラスの男の子は、まるで太平洋戦争後の東京の焼け跡の子供のように、盗みや嘘つきで少女の買い出しを手伝うことになります。

この二人は時々、向かい合って先にまばたきをした方が負けになる遊びをします。

9歳の少女は、イラク北部から流れてきた川がペルシャ湾へ流れ込む湿地帯(マシュ)で、昔ながらの葦で作られた小屋に祖母と暮らしています。

学校へ行く時もこの船を漕いで行きます。

イラクにこんな湿地帯が広がっていることも、初めて知りました。

実際にはとても悲惨な状況なのです。

けれども、少女の瞳、ヒジャブの下の祖母の顔、必ずいそうな親切な郵便配達のおじさん、

意地悪な先生、物売りのお爺さん・・

少女の一枚っきりのエンジのワンピース、埃まみれの傷んだ靴、彼女の唯一のペットの雄鶏・・

 

ホントにかなり悪い状況で人々がその日暮らしで命を繋いでいるのです。

けれども、申し訳ありませんが、私の心が洗われた映画でした。