なかなか言葉が出てこない映画
緊急事態宣言下であろうと万難を排して劇場で観るべきだろう、
とは言うものの、島根県出雲市のシネコンでは、朝イチ、11名の観客しかいなかった。
中国山地の山間から2時間半車を飛ばして街中に映画を見に行くというのは、東京や大阪の人たちには想像し難い勇気を要する行為なのである。
こういう朝焼けは初冬の山間部でも見ることはできる
いかにもアメリカ映画だという気がした。
圧倒的な自然の美しさを、作為なしに、ありのままに見せるカメラワークは、一種、爽快でさえある。
そのままの、あまりの美しさに、自然と涙が出てきたなあ〜
この映画の感想をどのように表現してよいのか、ちょっと言葉が見つからなくて二日ほど放っておいた。
今読んでいる司馬遼太郎の「峠」で、昨夜、こんな言葉を見つけた時、ああ、これだなあと思った。
・・・道は多難であり、悲壮であり、しかも痛烈な美に満ちている・・・「峠」上巻
ノマド(放浪の民)の生活を「多難であり、悲壮であり」と言うのは間違いであるということは分かっている。
しかし、この映画で映された自然の「痛烈な美」は、そのノマドを包んでいる。
圧倒的な自然の「痛烈な美」に包まれたノマドの生活も、同じように「痛烈な美」である、というふうに思われた。
まあ、映画の感想は人それぞれではあるし、映画.comのレビューでも、良かった、あまり響かなかった、の両方みたいだ。
私が⭐️4にしとこうかなと言ったら、夫は⭐️5だろうと言った。
⭐️5でない理由を私は考える。
それは「恐れ(おそれ)」じゃないだろうか。。。