『民主政の成熟と崩壊』
世界史年表でも紀元前443~429年を「ペリクレスの執政」(アテネの全盛)と書いてある。
パルテノン神殿の造営、完成、ギリシャ古典文化の黄金時代だったのだ。
「カリアスの平和」と名付けられた頃のアテネの人口は10万人くらいだったらしい。
塩野七生さんは書いている。
「ペリクレスが生きていた時代のアテネ人は賢かったが、彼が死んだとたんにバカに一変した、などということはありえないのだから。
しかし、ペリクレス以後のアテネが衆愚政に突入したのは、歴史上の事実である。」
「政体がどう変わろうと、王政、貴族政、民主政、共産政と変わろうと、今日に至るまで人間は、指導者を必要としない政体を発明していない。」
「民主政のリーダーー民衆に自信を持たせることができる人。
衆愚政のリーダーー民衆が心の奥底に持っている漠とした将来への不安を、煽るのが実に巧みな人。」
こういうところを読んでいると、遠い遠い昔の話なのに、今の世界に置き換えて考えてしまうのだね。
さらにこうも言う。
「今日ならば、デモの指導者もマスコミもウエブも、自覚していようがいまいがには関係なく、立派に「デマゴーグ」(煽動者)になりうる。
「ペリクレスが遺したアテネには、人々を不安にする要因はあったのか」と考えてきて、塩野七生さんは、疫病の流行と、敵軍侵攻が人の不安に結びついてしまったと、言う。
う〜ん、今ならばついこの間のコロナで世界は不安の坩堝に追い込まれ、そうしてロシアのウクライナ侵攻、さらにたたみかけるように世界中の異常気象による災害の多発、今また、中東のもうほとんど戦争と言っていい状態、
お隣の中国とか北朝鮮とか・・・
自分とは関係ないなんて思えない、人を不安にさせる材料に事欠かない世界になってしまっている。
こういう時に始まった衆議院選挙で、私たちはリーダーを選ばなくてはならないのだ。
と、ここまで書いてきて、私はサジを投げた。。
自分に無理なことは、考えても収拾がつかない。。
ずっと昔にこんなことがあった。
「お母さん、どう思う?」
と中学3年の娘に聞かれて、
「う〜ん、お母さん、分からない」と答えたら、娘に言われた。
「『分からない』じゃなくて、お母さんは『考えない』んでしょ!」
私、多分、ずっとこうやって生きてきたに違いない。。
これじゃ猫に小判、豚に真珠、暖簾に腕押し、、あと、何があったっけ。。