大切な一冊
今朝の掃除の途中で目について、この本のことだけは書いておきたいと思った。
私は男の子と女の子の二人を育てたが、どちらかといえば、娘の方に悩まされることが多かった気がする。
中学生の頃の娘は、普通に?女の子がそうであるようにいわゆる「怖いもの無し」「傍若無人」としか思えなかった。
そんな時、2000年発行のこの高村薫さんを読んだわけだけれど、ただただ迷いの最中にいた母親に、バイブル!のように高村薫さんの言葉が降りてきたのだった。
私が得た結論はこうだった。
「いやなことはいやだと言うしかない」
高村さんは
「『ノー』なのだけれど、この『ノー』の理由を考え続けてきたが〜」というふうに書かれている。
中学生の男子女子は、近づこうものなら刃を向けられかねないハリネズミのような時期と言ったらいいだろうか。
理屈は通らない。というより、理屈には理路整然と理屈で返してくるから、曖昧な返答では組み伏せられないと考えた方がいい。
元来が、いい加減な子育てをしてきた私だったし、父親といえば「子より親が大事と思いたい」といわゆる?粋がって、一切子どもたちの学校にも出向かなかった人だから、私は娘に対して戒めのどのような言葉も行動も確固とした規範を持てずに、自信がなかった。
「お母さんは、あなたにそうして欲しくない」
「お母さんは、あなたがそんなテレビを見るのはいやだ」
そうだ!私はこう言うだけでいいんだ!
これも随分乱暴な話で、高村薫さんの意に反してはいただろうが、それからの私は腹が据わったというか、娘に対して随分と楽になった。
そしてこれも不思議な話だが、理屈で娘を押さえつけることは決してできなかったのに、「お母さんはそういうのはいやなのよ、あなたにして欲しくない」という言葉には、娘は反論をしなかった・・・・
平成の子育ての話だから、今の事情とは違うこともあろうけれど、
「子供の自由について」「『可愛い』とは何か」「みんなの子供」etc.
やっぱ、高村さんついて行こう!!!って、私、ホントのホント思いましたよ。。。