「俳句と短歌の交響」
今朝の「うた日記」から、先年の日記に飛びました。
愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子
みんなお前がわるいのだったくろがねの門のとびらの前に立つとき 岡井隆
2017年に「俳句と短歌の交響」と題して紹介してくださっています。
この俳句と短歌の間には何の関係性はないのだけれど、
一つの俳句を受けて、岡井隆が詠んだ短歌を並べると、不思議な世界が広がりました。
映画を一つみたようです。
う〜ん、でも、映画なら見たくはない映画になったような・・・陳腐な・・・
けれどもこの俳句と短歌だけを並べて眺めると、その世界、いいです。
「象潟」「雨」「合歓の花」この三つの名詞の中に、ポーンと「西施」を投げ入れて、
象潟や雨に西施がねぶの花
こうなってくると、神業です。この世界が、ものすごっくいいのです。
今朝、川向こうにすっくと立つ裸の大木、合歓の木を眺めてきました。
梅雨時に、どうぞしとしと雨の中で見ることができますように・・・
一生のうち、お誂え向きの合歓の花に出会えるのは、おそらく数回あるかないか・・・
芭蕉さんのおかげで、合歓の花は特別なものになってしまったのでした。