春の夕暮れ時
全山紅葉が時間に引きずられるように暮れて行く 僕を残して
中川菊司
先日、「うた日記」で知りました。
夕食の支度を終えて、暮れなずんで行く向こうの山を眺めたら、
山が薄紅にほんのりと染まっているように感じました。
花を咲かせる前の木が、染まっているのです。
標高400メートルから500メートルの山で、もうじき山桜が咲き始めます。
「時間に引きずられるように暮れて行く 僕を残して」
春の夕暮れ時です。
上句を隠して、春の夕暮れの、そこはかとない寂しさにもしっくりきます。