石見ロマン?
やはり気になって、図書館でいくつか探して読んでいるのがこの本です。
2017年発行だから、梅原猛以降の柿本人麿に関する国文学界の概要は知ることができると思った。
はしがきで2ページにも満たない簡潔さ!で触れられている。
「ところで、梅原猛氏はその著書『水底の歌ー柿本人麻呂論ー』において、人麻呂は、叛逆の罪をきせられて流罪となり、そこで海にほうり込まれて殺されたとする人麻呂刑死説を呈示し、大佛次郎賞を受賞するなどして、読書会で大きな話題をさらったことがある。この梅原説は、学界ではほとんど取り上げられることはなかったものの、人麻呂の存在が伝承世界でどのように肥大化していったのかを考える際には、無視できない意味を持っている。」(本文から)
鴨山五首に触れて
「ここから彼の死が様々に伝えられていたことがわかる。梅原氏が述べているように、横死を思わせるところが、この五首にはある。そこから、辞世の歌そのものも、自作ではなく、後人の仮託ではないかとする説が示されたりもしている。〜人麻呂の生涯が伝説化される際、その実像のなかに、そうした方向へと想像力を誘導するような何かがあったと見るべきなのかもしれない。このように、すでに『万葉集』のなかで、人麻呂の虚像化・伝説化は始まっており〜」(本文から、傍線は私)
私は今半分まで読み進んでいるが、このはしがき以降、梅原説に触れれれたところはない。
後半から、「人麻呂の死と人麻呂伝説」の項があるから、そこでは触れざるを得ないと思ってはいるが、どんな風に書かれているか興味深い。
しかしはしがきの傍線部を見れば、おおよそ見当がつく。
梅原猛の人麿像は想像力のなせる技、と言わんばかりの扱いを受けている(私の思い違いか?)梅原猛が問いかけた人麿の実像に近づく進展はなさそうだ。。。
*そもそも梅原猛は「人麿」と表記しているのに「水底の歌ー柿本人麻呂論ー」と書いてある。
「石見ロマン」なるものをおっしゃる方もおられるように書かれていたが、それこそ人麻呂伝説を誘導する想像力ではなかろうか。
万葉の世に「石見国」がロマンを掻き立てる何かがあったことを、具体的に教えていただきたい気がする。
学者さんは物語らないのか?
梅原猛の「水底の歌」は1973年、「歌の復籍」は1979年、集英社の著作集は1981年、
それから30数年を経て、梅原猛が問いかけた人麿像に対する返答はなされていないということを知ることは必要だった。
「読書会で大きな話題をさらった」と書かれているように、一つの物語を梅原猛は語ったということなのだろうか。
(ど素人が勝手なことを書きなぐっているだけです。勘弁してください。これは私のための私の記録にすぎません。)
セコい話になるけれども、私はこの本を図書館で借りている。
どこかに中古がないかと検索したが、あいにく中古はなかった。
う〜ん、2100円はたいて購入せにゃならんのでしょうか。。。
大方本の断捨離をしているのに、気に入らない(ホントにホントにすみません、だって私は梅原信者?だから)本を自腹で???
ああ〜セコい私。。。