bull87’s blog

田舎の暮らし〜こんなふうです〜老後をお考えの方、参考に〜Iターンを選択肢に入れてる方、参考に〜なるンかなあ・・・

今、イタリア人は哲学者になっている、とか・・・

オパールは母の誕生石 

3月のお彼岸の前日、実家のお墓詣りに行った。

実家には今、姉夫婦が住んでいる。

孫たちのお世話があって、実家の方が娘の住まいに近いので、そちらで生活している。

 

 母が亡くなってからすぐに住んでいるから、何も片付けづに逝ってしまった父や母の膨大なモノ!を、少しずつ姉は整理していった。

 

初めは着るものの類で、これも一度に全部というわけではなく、それこそいつの間にかという感じで片付けていった。父母との別れを姉はそのようにして惜しんだのだろう。

  それでも、この間も廊下の端の洋服ダンスには見覚えのある父のジャケットが残っていた。

 

姉が見せたのは、父のネクタイピンとカフスボタンだった。

「どうしたらいい?」

う〜ん・・・

「石だけとって、ペンダントヘッドにすれば生き返るんだけどな〜

私たちや女の孫たちが1つずつくらいは、おじいちゃんの形見に持っていてもいいけれど」

 

ネットで調べたら、それこそダイヤを新しいリングにはめ込むとか、ピアスに変えたりと、非常に高価なリメイクがたくさん見られた。

 

とほほ・・・うちんちはそのように高価なものはありませんです。

サファイヤやトルコ石アメジストオパールとかのネクタイピンとカフスボタンなわけで、

石は大したことなくても、加工料が相当かかる。

ウン万円も出していくつも加工する財力は私にはありませんです・・・

 

横浜にいる古い友人に電話した。

彼女はジュエリーの雑誌のお仕事をやっていたから、細工ができる人を知っているような気がした。

写メを見て、

「せっかく同じものが2つあるのだから、カフスボタンはイヤリングになるわよ」と言ってくれた。

「大したものじゃないから、孫娘たちが気が向いてセーターやTシャツとかに18金のヘッドにぶら下げてくれるようなものでいいのよ」

「若い子で知っている子がいるから聞いてみるわ」

 

かくして、人はモノを残すということであります

 

さて、父の本棚も姉は見せて、大方は片付けてあったが、絵に関する本は姉も残していた。

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   写真のような全集と、別の本棚にはちょっとマニアックな画集や絵画の手ほどき本が残っていた

古書店を探して引き取り先があるか調べてみることにしたが、この全集は私は自分が引き取りたいなぁという思いも出てきた。

で、本棚に残っていた本の中に、梅原猛の一巻を見つけた。

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   あの布の中に私が終の住処に持っていく本が積み上げられている、愚かさの証以外何者でもない

うちの本棚を断捨離した時、確か20巻出たはずのこの全集が全巻揃っていなくて、古書店で引き取ってもらうリストにはのせなかった。

捨てるほうに積み上げていたら、夫が「僕は読んでいないから、いつか読んでみたい」と言って、残す方に行った本たちだった。

その一巻が父の本棚にあったというわけだ。

そうして持ち帰ったまま、すぐに開くつもりで日を過ごし、私の部屋にそのまま、ひょいと置かれたままになっている(どういうわけか動かさない・・・)。

 

断捨離の覚悟ができない、このゆるさ!

とにかく、生きている限り、人はモノを残す。

方丈の庵、4畳半を住処とする覚悟が、モノでない何かを人に残すというわけだ・・・

そういえば、ヤマザキマリさんが言っていたなあ、

「イタリア人は今みんな哲学者になっています」